7月~8月のユーロ円相場の振り返り
2026年7月から8月のユーロ円は、ECBの追加利上げ観測を背景に上昇したあと、日米の協調介入で急落しました。7月30日には一時187.4円まで円安が進みましたが、米国がユーロを売って円を買う異例の介入を行ったこともあり、8月3日には一時180円を下回りました。その後は介入効果が薄れ、ECBの利上げ観測も支えとなって、8月14日のECB参考レートは183.93円まで戻しています。
ユーロ円は「ユーロの強さ」と「円の弱さ」を掛け合わせた通貨ペアです。ECBだけでなく、日銀と日本の為替介入も同時に確認する必要があります。
| 日付 | ニュース | 主な判断 | ドル円の動き |
|---|---|---|---|
| 7/17 | 6月ユーロ圏インフレ率が2.8%へ低下 | 円高材料 | 円高。 185.99円から185.65円へ下落 |
| 7/23 | ECBが金利を据え置き、追加利上げ余地を残す | やや円安材料 | 小幅な円安。 186.03円から186.23円へ上昇 |
| 7/30 | ユーロ圏GDPが前期比0.4%増 | 円安材料 | 円安。 186.27円から186.99円へ上昇 |
| 7/31 | 7月ユーロ圏インフレ率が2.9%へ上昇 | 円安材料 | 円高。(介入の影響が優勢) |
| 7/31~8/3 | 日米が協調してユーロ売り・円買い介入 | 強い円高材料 | 大幅な円高。 187.4円から一時179.5円付近へ下落 |
| 8/13 | ECBの9月利上げ予想が強まる | 円安材料 | 小幅な円安。 183.67円から183.77円へ上昇 |
| 8/14 | 日銀の9月利上げ観測が強まる | 円高材料 | 小幅な円安。 183.93円へ上昇し、材料と逆方向 |

1.ユーロ圏インフレはいったん鈍化|円高材料
7月17日に公表された6月のユーロ圏消費者物価指数は前年比2.8%となり、5月の3.2%から低下しました。物価が落ち着けばECBが急いで利上げする必要性は弱まり、ユーロ売りにつながりやすくなります。そのため、基本的には円高・ユーロ安材料です。
ECBの参考レートでも、ユーロ円は7月16日の185.99円から17日の185.65円へ下落しました。ただし2%の物価目標は上回っており、利上げ観測を完全に消す内容ではありませんでした。
2.ECBは2.25%で据え置き|やや円安材料
ECBは7月23日、預金ファシリティ金利を2.25%に据え置きました。利上げ見送りだけならユーロ安要因ですが、ECBは中東情勢によるエネルギー価格上昇を警戒し、今後の追加利上げ余地を残しました。
日銀の政策金利1.0%との開きも残るため、ユーロ円ではやや円安材料です。実際の参考レートは前日の186.03円から186.23円へ小幅に上昇しました。一方、ユーロは対ドルで下落しており、通貨ペアによって反応が違う点には注意が必要です。
3.ユーロ圏GDPは予想を上回る|円安材料
7月30日に発表された2026年4~6月期のユーロ圏GDPは、前期比0.4%増でした。市場予想の0.2%増を上回り、1~3月期の横ばいから持ち直しています。
景気が底堅ければ、ECBは景気悪化を過度に心配せずインフレ対策を進めやすくなります。追加利上げ観測を通じたユーロ高・円安材料となり、186.27円から186.99円へ上昇しました。
4.7月インフレ率は2.9%へ上昇|本来は円安材料
7月のユーロ圏インフレ率は前年比2.9%、食品とエネルギーを除く基調的な物価も2.5%へ上昇しました。ECBの2%目標を上回り、9月の利上げ観測を支えるため、本来はユーロ高・円安材料です。
しかし7月31日のユーロ円は、物価統計よりも円買い介入の影響が強かったため下落しました。
5.ユーロ売り・円買いの協調介入|強い円高材料
7月末、日本と米国は協調して円買い介入を実施しました。市場関係者によると、米財務省はドルではなくユーロを売って円を購入。ユーロ円に直接働きかける異例の方法で、相場は187.4円から8月3日に一時179.5円付近まで4%超下落しました。
追加介入への警戒は、今後もユーロ円の上値を抑える円高材料です。ただし8月14日終値は184.34円まで戻っており、介入だけで相場の基調を長期間変えるのは難しいことも示しています。
6.ECBと日銀、双方の9月利上げ観測に注目
8月13日の調査では、ECBが9月に0.25%利上げするとの予想が強まりました。ユーロ圏の高い物価と原油高が背景で、これは円安材料です。一方、日銀も早ければ9月に利上げし、その後のペースを速める可能性が報じられました。こちらは円高材料になります。
両方が利上げする場合、重要なのは回数より「市場予想との差」です。ECBの利上げがすでに織り込まれ、日銀が予想以上に強い姿勢を示せば円高に傾きやすく、反対なら円安に戻りやすくなります。
今後のユーロ円予想で確認したい3つのポイント
当面は180円台前半から7月高値の187円台まで、政策ニュースで大きく振れやすい展開が想定されます。
今後確認したいのは、①9月10日のECB理事会で利上げが行われるか、②9月17~18日の日銀会合で追加利上げがあるか、③日本と海外当局による追加介入の可能性です。あわせて、ユーロ圏CPI、原油価格、ユーロ円とドル円の動きの違いも要確認です。
まとめ
7月~8月のユーロ円は、ユーロ圏の堅調なGDPとECB利上げ観測が円安材料となる一方、ユーロ売りを伴う協調介入と日銀の利上げ観測が円高材料になりました。今後はECBや経済指標だけでなく、日銀の金利予測と介入警戒にも注意することが重要です。

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